京都の美しい坂 其の一

最も京都らしい場所のひとつと言われる「ねねの道」。

「ねね」と言えば、天下人「秀吉」の正妻。

亡き秀吉後の権力者となっていた徳川家康の後押しを受けて、秀吉を弔う為に高台寺が建立されました。高台寺の塔頭のひとつである圓徳院(ねねの道沿い)にねねは住んでいたそうです。

その圓徳院と高台寺を結ぶ「台所坂」は全長61m、高低差6.2mだそうですが、そのゆるやかな坂の美しさに思わずため息がこぼれます。

この石段をねねはどんな思いでのぼっていたのでしょうか。

そんな思いを巡らせつつ、台所坂の下に立って坂を見上げると、遠くに秀吉とねねが仲良く歩く後ろ姿が見えた気がしました。

高台寺 台所坂(こうだいじ だいどころざか)

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時雨亭しぐれてい)から見つめた空

1614年大阪夏の陣に際し、ねねは高台寺の高所にある時雨亭(2階建て)から、空を真っ赤に染めて炎上する大阪城を遠目に涙した、というエピソードが寺には伝わっています。夫婦で共に極めた栄耀栄華、悔やまれるのは跡継ぎができず自分の手から離れていった豊臣家とその終焉。どんな思いで紅い浪花の空を見つめていたのでしょうか。